だし巻き卵のコツ|現役料理人が教える失敗しない作り方

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「だし巻き卵を作ると崩れてしまう」「うまく巻けない」「表面が焦げて中が生になる」——そんな悩みをよく耳にします。

だし巻き卵は、和食の中でも「シンプルだからこそ難しい」料理のひとつです。ただ、コツを知れば家庭でも十分においしく作ることができます。

私は現役の和食料理人です。毎日のようにだし巻き卵を焼いてきた経験から、失敗しないためのポイントを丁寧に解説します。

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だし巻き卵が「崩れる・うまく巻けない」原因

失敗の原因はほぼ次の4つに絞られます。

  • だしの量が多すぎる:卵液がゆるくなりすぎて巻けなくなります
  • 火が強すぎる:表面だけ固まって内側がまだ生の状態で巻こうとするため崩れます
  • 固まりすぎてから巻いている:半熟のうちに巻くのが鉄則です。完全に固まると割れます
  • 一度に卵液を全部流し込んでいる:数回に分けて巻くのがプロの基本です

逆に言えば、「だしの量・火加減・巻くタイミング」の3つを押さえるだけで、仕上がりは大きく変わります。

プロが使うだしの黄金比

だし巻き卵の味を決めるのは、卵とだしの割合です。プロの現場では次の割合を基本にしています。

材料分量(2人前・卵3個の場合)
3個
だし(昆布・かつお)大さじ3〜4(45〜60ml)
薄口醤油小さじ1/2
みりん小さじ1
ひとつまみ

だしは卵液全体の約25〜30%が目安です。これより多くなると巻きにくくなり、少なすぎると風味が出ません。

甘めが好みの方は、みりんを大さじ1に増やすか、砂糖を小さじ1加えてください。関西風はだし多め・塩味、関東風はやや甘めが一般的です。

だしは何を使えばよいか

理想は昆布とかつお節で引いた一番だしです。ただし、毎回だしを引くのは手間がかかります。

家庭では顆粒だし(本だし)を水で溶いたもので十分です。顆粒だし小さじ1/3を水大さじ3〜4で溶けば、同じように使えます。

風味にこだわりたい方は、昆布だしだけで作ると上品な仕上がりになります。かつお節だしだけだと香りが強くなりすぎることがあるため、ブレンドがおすすめです。

失敗しない焼き方・巻き方

玉子焼き器(卵焼き器)を使った基本の焼き方を解説します。

火加減は「中火→弱火」

玉子焼き器を中火で十分に温めることが最初のポイントです。温度が低いと卵液がくっつきやすく、逆に強火だと一瞬で固まって巻けなくなります。

温め方の目安:キッチンペーパーに含ませた油を鍋肌に塗ったとき、じゅっと音がする程度が適温です。

卵液を流し込んだあとは弱火〜中弱火に落とし、じっくり火を通します。強火のまま焼き続けるのは厳禁です。

巻くタイミングは「半熟」

卵液を流し込んで、表面がまだ半熟のうちに巻くのがだし巻き卵の鉄則です。

よくある失敗は「完全に固まってから巻こうとする」ことです。完全に固まった卵は弾力がなく、折ろうとすると割れてしまいます。

半熟の目安:表面全体に光沢があり、端を箸でつつくとぷるぷると動く状態です。このタイミングで手前(または奥)から巻き始めます。

卵液は3〜4回に分けて流す

一度に全部流し込まず、3〜4回に分けて巻き重ねていくのがプロの基本です。

  1. 油を薄く引いた玉子焼き器に卵液の1/3量を流し込む
  2. 半熟になったら奥から手前へくるくると巻く
  3. 巻いた卵を奥に寄せ、あいたスペースに油をひく
  4. 残りの卵液の半量を流し込み、奥の卵の下にも卵液を流す
  5. 再び半熟になったら手前に巻き重ねる
  6. 同じ手順でもう1回繰り返す
  7. 焼き上がったらまきすで形を整えて2〜3分おく

巻き直しOKの考え方

「一度崩れたら終わり」と思う方が多いですが、そんなことはありません。

プロの現場でも、形が崩れたらまきすで包んで形を整え直します。温かいうちなら十分に形が戻ります。「崩れたから失敗」ではなく、「崩れたら整える」という発想で気楽に作ってみてください。

最初からきれいに巻ける人はいません。回数を重ねるほどに手が覚えていきます。

玉子焼き器の選び方

玉子焼き器の素材によって、焼き上がりと扱いやすさが変わります。

私は30年以上使い続けている銅製の玉子焼き器を仕事で使っています。メーカーは不明ですが、しっかり手入れをすれば一生使える道具です。油をひいてしっかり温めてから使う必要がありますが、ふっくらとおいしく仕上がります。

ただ扱いに慣れが必要なため、まずはテフロン加工をおすすめします。お手入れが簡単で、時間がないときもさっと作れます。テフロンに慣れてきたら、より本格的な仕上がりを求めて銅製にステップアップしてみてください。

テフロン製|まず持つ一本におすすめ

くっつかないので焼き方に集中でき、失敗が少なくなります。洗い物も楽で毎日使いやすいのが魅力です。

銅製|本格的な仕上がりを求める方に

熱伝導が均一で、ふわっとした仕上がりになります。使うほど油がなじんで育っていく、一生ものの道具です。

まとめ

だし巻き卵を失敗しないために押さえるポイントは次の3つです。

  • だしの量は卵液全体の25〜30%(卵3個に対してだし大さじ3〜4)
  • 火加減は中火で温めて弱火で焼く(強火は厳禁)
  • 半熟のうちに巻く(固まりすぎると割れる)

最初はうまく巻けなくても、まきすで形を整えれば十分です。見た目より味を優先して、まずは気軽に作ってみてください。

回数を重ねるごとに手が覚えていきます。和食の定番・だし巻き卵をぜひ家庭の味にしてみてください。

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